電子書籍を売ることはできる?古本や中古として扱うことは可能?

紙の本と電子書籍の大きな違いの1つに「売ることができるかどうか」というのが挙げられます。

電子書籍は古本や中古として売ることはできないため、人によっては紙の本よりも割高に感じるかもしれません。

しかし、電子化・オンライン化の波が著しい昨今の中で、電子書籍を購入後も流通できるようにする仕組みを開発する流れも生じています。

今回は電子書籍を売ることができるかどうか、将来的にどのような変化を迎えるのかについても解説していきます。

この記事でわかること
  • 電子書籍は中古や古本として売却できない
  • 電子書籍の購入で得られるのは所有権ではなく「閲覧権」
  • 中古の電子書籍を売却する仕組み作りに取り組む企業もある
  • 将来的に電子書籍の転売・譲渡が可能になるかもしれない

電子書籍を古本や中古として売却することはできない

引用:Pixabay

結論から言えば、購入後の電子書籍を古本や中古として売ることはできません。

では、紙の本とは異なり、なぜ電子書籍を得ることができないのか、以下の2つの視点から解説していきます。

電子書籍は中古や古本として売却できない
  • 電子書籍を買った時にもらえるのは閲覧できる権利
  • 購入者に所有権や売買の権利を与える動きも

紙の本と電子書籍の商品としての違いや、今後の動向なども含めてチェックしてみてください。

電子書籍を買った時にもらえるのは閲覧できる権利

現在販売されている電子書籍の多くは、購入することで書籍データではなく電子書籍を「読める権利」を得る仕組みになっています。

書籍のデータファイルの所有権は購入者に帰属しているわけではなく、購入者にはあくまで読む権利しか提供されていません。

理由としては、主にデータの不正コピーや転売を防ぐためと言われています。

確かに、電子書籍を購入しても専用のビューアーでしか閲覧できませんよね。

(例:楽天koboで購入→楽天koboで閲覧、Kindleストアで購入→Kindleで閲覧)

このように指定のビューアーでしか閲覧できないため、コピーや転売などはできませんし、購入した電子書籍を中古として扱うこともできません。

購入者に所有権や売買の権利を与える動きも

電子書籍は購入者に「読む権利」を与えるにとどまっているのですが、最近では購入者に対して所有権や売買の権利を付与する仕組みを作る取り組みも進められています。

例えば、Gaudiyなどの企業では、電子書籍の不正なコピーを防止しながらも、購入者に対して電子書籍の所有権を与え、紙の本と同じように中古品として売却できるシステムの開発が行われています。

最近、普及しつつあるNFT(非代替性トークン)を活用することで、電子書籍をコピーができない商品として流通させつつ、正規の手段で二次流通させることも可能です。

電子書籍の市場は年々拡大傾向にあるものの、全体の規模は紙の本には遠く及びません。

購入後の電子書籍が中古品として販売可能になれば、さらに電子書籍を普及させるきっかけになるでしょう。

電子書籍の読み放題サービスなら、格安で好きな本が読み放題

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将来的には電子書籍の売却も可能になるかもしれませんが、現状では不可能で「やっぱり本を安く読むなら中古で売れる紙の本がいい」という人も多いでしょう。

確かに、定価で購入した書籍を読み終わってから売却すれば、本を読むのにかける費用を大幅に節約できますよね。

しかし、それよりも電子書籍の「読み放題サービス」を使う方がおすすめです。

読み放題サービスでは、月額料金制で配信されている書籍が好きなだけ読めるというサービスなので、本をたくさん読めば読むほどお得になります。

漫画や雑誌など、読みたい本がラインナップされている場合には、紙の本よりも安く本が読めるのでおすすめです。

将来的にはNFTで電子書籍の転売・譲渡が可能になるかも

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電子書籍は将来的にNFTを応用することで、購入後の転売や譲渡が可能になるかもしれません。

データファイルというコピーが可能でオリジナルとの判別ができないという特性上、不正コピーの防止という観点上、購入後の電子書籍を売却したり、譲渡したりすることはできませんでした。

しかし、電子書籍をNFT化することで所有権を明確にできます。

所有権が明確になれば、不正なコピーもできませんし、将来的には購入後の電子書籍を売却することも容易になるでしょう。

電子書籍を中古で売るシステムを作ろうとしている企業も

引用:Pixabay

現状として電子書籍を中古で売ることはできませんが、売るためのシステムの開発に取り組んでいる企業はあります。

ここでは、電子書籍を中古で売るシステムを作ろうとしている企業について紹介します。

Amazonがデータの中古品を売買できる特許をゲット

Amazonでは、読み終わった電子書籍や音楽、ゲーム、映画などのデータを他者に売却する技術の特許を取得しています。

ただし、NFTのように所有権を売却、譲渡するのとは異なり、あくまで閲覧権を売る仕組みとなっており、中古として売れるのは3回までといった制限も加えられると言われています。

また特許を取得した段階なので、将来的に導入されるかどうかは不明ですが、電子書籍の二次流通市場については各社が積極的な動きを見せているようです。

アソビモはDiSEL(ディセル)で中古品を販売

オンラインゲームなどの開発を行うアソビモでは、電子書籍を中古品として売却できるサービスを開始しました。

電子書籍やゲームを取り扱う「DiSEL(ディゼル)」と提携し、同サイト内で購入した電子書籍を読み終わったら中古品として売買できます。

さらに、アソビモが手がけるサービスでは、電子書籍の二次流通によっても出版社に対して一定の収益が入る仕組みになっています。

電子書籍を売ることについてよくある質問

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電子書籍を売ることについてのよくある質問を紹介していきます。

よくある質問
  • いらなくなった電子書籍は削除できる?
  • 電子書籍端末を売ることはできる?

ここまでの内容で気になる点や疑問点がある人はこちらを参考にしてみてください。

いらなくなった電子書籍は削除できる?

Kindleや楽天Koboなど一般的な電子書籍サービスでは、購入した電子書籍のデータを削除できます。

もちろんサービスによって対応は異なっており、例えばブックライブでは削除はできません。

また、削除したからといって閲覧権が消失するわけではなく、再びダウンロードして読むことはできます。

電子書籍端末を売ることはできる?

個人的な改造をしていないなどの特殊な事情がない限りは、電子書籍端末を中古品として売却することはできます。

ただし、売却時には端末を初期化して、データの閲覧やログインができないようにする必要があります。

電子書籍は売れないが、将来的には売れるようになる可能性も

引用:Pixabay

電子書籍を売ることができるのかどうかについて解説していきました。

現状として購入した電子書籍を売ることはできませんが、将来的に電子書籍の二次流通を進めていく動きは活発になっています。

話題のNFTを活用することで電子書籍の売却や譲渡も可能になっていくことが考えられます。

企業も電子書籍の二次流通には積極的に取り組んでいるので、最新の動向をチェックしてみてください。