社会人1年目でなんとなく仕事が辛い。自分はいったい何が嫌なんだろう。
社会人の辛い毎日から抜け出すにはどうすればいいの?
こういった疑問に答えます。
学生と社会人では生活がまるで変わります。
そのため、社会人になった1年目から3年目のあたりで、仕事が辛いと悩む人も多いです。
今回は、辛いと悩む理由と、解決するための対処法をご紹介します。
目次
社会人なんて辛いだけ?辛いと考えている人の割合
就職してから毎日が辛いと、「社会人なんて辛いだけで、これが定年までの40年間続くのか…」と暗雲として気持ちになってしまう人も多いです。
そこで、そもそも社会人が辛いと考えている人がどれくらいいるのかを知っておきましょう。
「Woman type」が、「今の仕事を『楽しい』と『つらい』に分けた際に、『つらい』の割合はどのくらいか」を聞くという一風変わった調査をしています。
この調査によると、「5割」、つまり「楽しいこと」と「つらいこと」が半々であると答えた人が全体の15%で最多だったそうです。
全体の57.5%の回答者が、仕事の5割以上が「つらいこと」だと答えています。
ただ、これを20代の回答者に絞ると様子が変わってきます。
20代では、「仕事でつらいことは7割」だと答える人が、14%にのぼり、最多でした。
また、63.2%の人が仕事の5割以上が「つらいこと」だと答えています。
つまり、20代の人の多くは「仕事は辛いもの」と考えているものの、年齢を重ねるにつれて、「仕事楽しい」と考える人が増えるという結論になります。
仕事の辛さも未来永劫続くわけではない、と考えると少しは楽になるのではないでしょうか。
なお、仕事は10割つまらないものだと考えている20代は全体の8%に過ぎないです。
仕事は辛いだけだと考えている人は少数派ということがわかります。
出典:https://woman-type.jp/wt/feature/17005/
調査日:2019年11月22日~12月3日
方法:女の転職type会員に対してWEB上で調査
回答数:570名
社会人が辛い理由として多いもの
では、実際に社会人が辛い理由として多く挙げられるものは何なのでしょうか?
少し古い調査ですが、転職サイトの「エン」が2,300名を対象におこなった大規模調査があります。
こちらの調査では、「仕事上での強いストレス要因」として多いのは下記のとおりとなっています。
- 上司との人間関係:51%
- 会社の業績・将来性への不安:42%
- 成果に対して給与が低い:41%
出典:https://mid-tenshoku.com/enquete/report-37/
調査日:2008年12月18日~ 2009年1月28日
回答数:2,307名
また、エン派遣がおこなった最新の調査では、「仕事上でかかるストレスの理由」について下記の結果が出ています。
- 給料が仕事内容に見合わない:36%
- 上司との関係:25%
- 仕事量が多い:23%
- 同僚・後輩との関係:20%
- 責任が重い:18%
こちらでも回答が多いことからわかるように、「給料の低さ」や「上司との人間関係」といった部分は、やはり仕事上でのストレス要因として強いようです。
出典:https://haken.en-japan.com/contents/enquete/report_1609/
調査日:2022年5月2日~2022年5月31日
回答数:3,135名
最後に厚生労働省が調査を実施した「仕事や職業生活に関する強いストレスの内容」では、下記の内容が強いストレス要因として挙げる方が多かったです。
- 仕事の質・量:59.4%
- 仕事での失敗:34%
- 対人関係:31.3%
- 役割や地位の変化:22.9%
- 会社の将来性:22.2%
出典:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h30-46-50_kekka-gaiyo02.pdf
調査年:2018年
まとめると、共通して上位の理由として挙げられているのが、下記のとおりです。
- 人間関係について
- 仕事量について
- 給料面について
このあたりを仕事が辛い理由として考える人が多いようです。
社会人が辛い理由と対処法
ここからは、実際に辛い理由をご紹介し、それぞれどのように対処すれば良いのかをご紹介します。
社会人生活が辛い理由は挙げればキリがないですが、主に下記3つの観点でまとめてみました。
- 職場の人間関係が辛い
- 仕事の内容が辛い
- 日々の生活が辛い
順に見ていきましょう。
辛い理由①:職場の人間関係が辛い
誰と仕事をするのかというのは、どんな仕事をするのかよりも、仕事のつらさや楽しさに直結します。
実際、仕事のストレスの理由を調査するアンケートでは、上位の顔ぶれに「職場の人間関係」が必ず入ってきます。
人間関係といっても色々ありますが、下記3つが代表的なようです。
- 上司との関係が最悪
- 同期や同僚とノリが合わない
- 取引先に嫌な人が多い
それぞれ見ていきます。
上司との関係が最悪
職場の人間関係での悩みで最も一般的で、深刻な悩みに直結するのが上司との関係です。
仕事を頼まれるという、こちらが弱い立場の関係性であるため、上司との仲が崩れると、仕事に支障が出てしまいます。
すると、精神的にも耐え難いほど辛い状態になる可能性があります。
ひどい場合には、殴られる、蹴られるといった物理的なパワハラを受けているケースもあるようです。
実際、Yahoo!知恵袋などには、生々しい体験談も多く投稿されています。
上司との関係が悪くて悩んでいます。
仕事でミス等をするにつけ、徐々に信頼されなくなっていき、今に至ります。
ほぼ毎日、長時間(1~4h)怒鳴られ、思い切り殴られたり。
その上司が怖くて萎縮してしまい、仕事に前向きに取り組むことができない状況です。
そして細かい部分でミスがでたり、大事な事を抜かしてしまったりして、
また怒鳴られ、殴られ、蹴られ…の繰り返しです。
Yahoo!知恵袋
また、上記ほどひどくなくとも、下記のようなケースは多く見受けられます。
- 嫌味を言ってくる
- 何かと目の敵にしてくる
- ミスを執拗に責めてくる
- 自分の価値観を押し付けてくる
上司との関係性が最悪というのは、社会人が辛い理由の代表的なものの1つでしょう。
同期や同僚とノリが合わない
社会人が辛い理由を聞くアンケート調査では、社風や組織の雰囲気と合わないという理由が上位に出てきます。
もう少し具体化すると、同期や同僚など、一緒に働く人たちと価値観が合わずに悩んでいるともいえるでしょう。
自分が週5で働く、所属する組織で疎外感を感じてしまうと、精神的にかなり辛い思いをする人も多いです。
たとえば、内向的な性格の人が外交的な飛び込み営業戦士が集まる職場では馴染むことは難しいでしょう。
仕事で結果も出しづらいと思います。
Twitterでも同様の声はいくつかあります。
また、特定の1人の同僚と仲が悪く、仕事が辛いと感じてしまう人も多いようです。
取引先に嫌な人が多い
仕事をする上で、上司よりも尊重して接する必要がある相手として、「取引先の顧客」がいます。
その取引先の担当者が嫌な人だったり、自分と合わない人だったりすると、精神的にかなり消耗してしまいます。
社内の人間関係と違い、社外の関係性では、会社に相談しても対処が難しいケースが多いです。
具体的には、下記などです。
- 横柄な態度を取られる
- セクハラまがいの言動をしてくる
- ぞんざいな扱いを受ける
- 理不尽な要求をしてくる
それでも、まだ嫌な相手が1人だけだったり、短期間だけだったりすれば耐えやすいですが、多くの顧客がそうだったり、長期間にわたったりすると、耐えるのも難しいでしょう。
人間関係が辛いときの対処法
このように、上司や同僚、取引先との人間関係で辛いと悩んでいる場合は、どう対処すれば良いのでしょうか。
まず、パワハラやセクハラなどのハラスメント行為がある場合は、社内の人事担当者に相談することが先決です。
昨今では、とくに大企業においては、ハラスメントに敏感になっているので、適切に対処してもらえるケースが増えています。
一方、ハラスメントではないケースでは、下記の対処法に分けられます。
- 相手に、つらく感じている旨を伝えて和解を目指す
- 第三者に、状況を話して解決策を見出す
- 自分の気持ちを切り替えて耐え、状況が変わるのを待つ
- 部署異動や転職をする
まず、相手に直接交渉するのも1つの手段です。
人間関係の悪化は、単純なすれ違いから起きていることもあります。
腹を割って話してみたら、相手に悪意は無いというケースもあります。
2つ目に、上司や人事部など、関係性が悪化している人以外の第三者に状況を伝えるのもありです。
自分が辛いと感じていることは、言わないと伝わりませんし、状況改善に動いてくれる人も現れません。
そして、プライベートを充実させたり、開き直ったりして、自分の気持ちの持ちようを変えるというのが1人でできる対処法です。
根本的な解決策ではありませんし、それが出来れば苦労しないという人もいるでしょうが、相談できる状況にない場合は、現実的な選択肢です。
最後に、部署異動を願い出たり、転職活動を始めたりするというのも、手段です。
おいそれとできることではないですが、根本から状況が変わるので、一番効果的ではあります。
辛い理由②:仕事の内容が辛い
ここまで人間関係で辛い場合の具体例と対処法をお伝えしてきました。
人間関係の次に多い、悩みの種が「仕事内容が辛い」というものです。
具体的に多いのは下記のとおりです。
- 業務内容が楽しくない、やりがいを感じない
- 難易度が高く仕事ができない
- 成長機会が無い、希望の仕事内容と不一致
結局、働いている以上、仕事ができるかどうか、具体的に何を仕事としておこなうのかというのは大きな問題です。
ここでは、仕事内容に関する悩みと対処法をお伝えします。
業務内容が楽しくない、やりがいを感じない
とくに新卒入社1年目で多いですが、仕事はやりがいを持ってするべきものと考えていたのに、実際の業務は雑用に近いもので落胆してしまうという人は結構います。
そもそも仕事自体に、やりがいを持てたり、楽しめたりする人は多いわけではないです。
しかし仕事への事前の期待感が高いと、落胆してしまい、病む人が多くいます。
なお、下記記事で、いくつかのアンケート調査を引用・紹介していますが、おおよそ半分弱の人は仕事を楽しいと思っていません。
もちろん、楽しくやりがいを感じられる仕事ができるのがベストなのは言うまでもありませんが、そこを当たり前に考えてしまうと、その期待と現実の落差で「辛い」と感じてしまうでしょう。
難易度が高く仕事ができない
仕事の難易度が自分のスキルや経験に見合っておらず、仕事で結果を出すことが出来ず、「辛い」と感じる人も多いです。
仕事で成果が出せなかったり、上司から依頼されたことを対応できなかったり、ミスが続いたりすると、誰でも落ち込みます。
そのようなことが続き、周りから白い目で見られたり、上司から見限られたり、といった状態になると、さらに仕事が辛く感じてしまうでしょう。
そうなると、さらに仕事に集中できずにミスをする、報告連絡相談がおろそかになるという悪循環に入ります。
成長機会が無い、希望の仕事内容と不一致
成長する機会がないような業務だったり、希望していなかったりした部署に配属されてしまい、辛く感じる人も多いです。
新卒入社前に、こういう部署に就きたいと希望を人事に伝えていても、その通りに配属される保証はまったくありません。
また、無縁の地方の配属先に飛ばされてしまったという場合も辛いものがあるでしょう。
もちろん、どんな業務や配属先でも慣れるまでは大変なので、時間が解決する面もあります。
しかし、なかには、ご自分の適性や希望とかけ離れていて、その状態が長期に渡って継続するということもあるので、そういった場合は、つらさは解消されません。
仕事内容が辛いときの対処法
仕事内容で辛いときには、どのように対処すれば良いのでしょうか?
色々あるかと思いますが、結論としては下記2つのどちらかしかないかと思います。
- 自分が仕事内容に合わせる
- 仕事内容を変える
前者は、自分の気持ちの持ちようを変えてやりがいを見出したり、自分のスキルを高めて仕事をできるようになったりと、なんとか今の状況のまま打開を図ろうとすることです。
希望と違ってもやりがいを見出したり、雑用のような仕事でも小さな学びを見つけることは不可能ではありません。
また、仕事の難易度が高ければ、前任者や上司に教えを乞いたり、土日に復習をしたりなどやれることはあります。
一方、仕事のほうを変えるという手段もあります。
具体的には下記などです。
- 担当を変えられないか上司に相談する
- 部署異動を願い出る
- 転職をする
担当変更の申し出や転職をすることは、軽々しくはできないと思いますが、最終手段として頭に入れておくと気持ちが楽になるかもしれません。
辛い理由③:日々の生活が辛い
社会人が辛い理由として、日々の生活が辛いというものがあります。
具体的には下記のとおりです。
- 残業や休日出勤が多い
- 早起きや通勤が辛い
- 収入・年収が少ない
とくに少し前まで学生生活を送っていた、新卒社会人の場合は、こういった日々の生活の変化が、辛さを生むケースが多いです。
順に詳しくみていきましょう。
残業や休日出勤が多い
仕事が辛い理由としてオーソドックスなのが、過度な残業や休日出勤の多発といった、ブラック気味な職場環境であることです。
どこからがブラックであるか、また、どの程度の残業から辛いと感じるかは人それぞれです。
自分の場合、月残業40時間を超えたらもう辛いですが、なかには、月100時間を超えてもピンピンしている人もいます。
大事なのは、あなたが辛いと思うかどうかです。
気が付かないうちに、心身を壊してしまう人もいるので、気をつけましょう。
なお、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、月間の平均残業時間は13.3時間です。
※2021年度、パートタイム従業員を除く
個人的には13.3時間は少なく感じますが、ひとつの目安としてください。
早起きや通勤が辛い
就職をして社会人になると、基本的には、平日朝の決まった時間に起きて通勤をする必要があります。
朝起きるのが辛い人というのは一定数存在していて、そういった人にとっては、朝ベッドから起きるのもかなり苦痛に感じるでしょう。
またコロナ禍を経て、若干緩和されましたが、満員電車に乗って毎朝通勤するのが、かなりのストレスになっているという人もいます。
とくに地方から上京してきて、都心の満員電車に慣れておらず、苦痛に感じやすいようです。
収入・年収が少ない
最後に、仕事に見合った給料がもらえておらず、辛いというケースも多いです。
とくに初任給ともなると、生活するのが精一杯という額しか基本的にもらえません。
大学生活を送りながらアルバイトをしていたときのほうが、金銭的に余裕があったという人もいるかと思います。
なお、厚生労働省の統計では、大卒初任給の平均は「21万2千円」となっています。
※出典「令和元年賃金構造基本統計調査」
また初任給に限らず、極端に手取りが低く生活もままならず辛いという人も多くいます。
日々の生活に余裕が無いと貯金もできず、退職や転職活動をする余裕もなくなってしまうため、精神的にも追い詰められやすいといえます。
日々の生活が辛いときの対処法
年収が少ない、通勤が辛い、残業が多いなど、日々の社会人生活を辛いと悩んでいる際には、どう対処したら良いのでしょうか。
まず工夫をしながら耐えて慣れるのを待つというのが、一つあります。
とくに社会人1年目の場合は、学生生活との違いに慣れていないだけで、なんとか毎日を繰り返していけば、気がついたら辛さが減っているという人も多いです。
もしくは、自分から動いて辛さの原因を少しでも減らす努力をすることです。
たとえば、下記などです。
- 通勤が苦痛なのであれば、時間差通勤をする
- 残業が多いのであれば、時短術を学んで効率化する
- 収入が少ないのであれば、土日に副業をする
どれも簡単では無いかもしれないですが、できることからやっていきましょう。
社会人生活が辛い人のよくある質問
社会人何年目が辛いもの?
社会人1年目が一番辛いです。
学生生活と社会人生活のギャップが大きく、つらく感じる人が多いようです。
逆に2年目以降になれば慣れてきて、つらさが減っていくかと思います。
1年目で辞めたいほど辛いときはどうすればいい?
1年目でどうしても辞めたいほど辛いときは、転職することも選択肢の一つです。
短期間での退職は、転職時にどうしてもネガティブに見られがちですが、第二新卒枠ならできるだけ若い人を採用したいという会社もあります。
社会人1年目は辛い時期!少しでも辛さをやわらげよう
ここまで、社会人生活で辛いことや、それぞれの辛さへの対処法をお伝えしてきました。
辛い理由としては、大きく下記の3つに分けられます。
- 上司や同僚、取引先との人間関係
- やりがいのない仕事内容や能力不足
- ブラック労働や低年収
辛さへの対処法としては、おおまかに下記の3つに分けられます。
- 自分が辛さに慣れる
- 辛さを少しでも工夫して減らす
- 転職や部署異動で状況を変える
社会人のなかでも、新卒入社して1年目が一番つらい時期です。
2年目以降になれば楽になると希望を持って、なんとか工夫して負荷を減らしながら頑張ることをオススメします。
ただ、「社会人になってから数年経ったけど辛い」「これ以上頑張れるような状況ではない」という人は、心身を壊す前に、自分に合った会社に転職するのも手です。
最近では、あなたの仕事適性を無料で本格診断できるツールも出ているので、まずはこういったものから試してみてはどうでしょうか。
社会人になったけど毎日の仕事が辛い…。